小さいことの積み重ね 業界だけでなく、一人一人の考えや行動で変わることができる

人と関わる仕事での基本的態度

これから介護職を目指すのであれば、多くの人と関わる機会が多いので、必要となる基本的態度についてできるだけ深く知っておくべきでしょう。介護の仕事は対人援助が中心であり、利用者やその家族との信頼関係の構築が、とても重要になるからです。そのためには介護職としての基本的態度を学んで、身につけることが必要になります。また、就職面接の際にも、その人物が介護職にふさわしい資質を備えているのか見定められるので、あらかじめ介護職の基本的態度を知っておくことは無駄ではありません。

一口に基本的態度といっても、コミュニケーション技術をはじめ、自己覚知や職業倫理あるいは基本的人権の尊重など、身につけるべきものは数多くあります。どれも介護職にとっては必要不可欠なものですが、対人援助の際に直接必要になるのは、やはりコミュニケーション技術でしょう。コミュニケーションは他者との信頼形成に欠かせないものであり、全ての介護技術の基本といっても過言ではありません。

コミュニケーションの手段には、言葉として表現された言語的なものだけでなく、表情やポーズあるいは声色や量、さらに体温や香りのような非言語的なものまで、幅広く多岐にわたります。介護職の現場では、利用者やその家族とのスピーディーな信頼関係の形成を求められるため、これらのコミュニケーションの手段を熟知して、上手に使い分けることが大切になります。

さらに一方的なコミュニケーションではなく、自己開示することで、利用者に安心して介護サービスを受けてもらわなければなりません。したがって普段から自己理解を深め、自己をどれだけ開示できるのか、よく把握しておくことも重要です。